石垣島アクティビティ｜“初めて来たのに懐かしさを感じた”体験

初めて訪れるはずの場所なのに、どこかで見たことがあるような感覚。風の匂いや、空の色、地面の感触までもが不思議と馴染んで、まるで昔から知っていたかのような安らぎを感じることがある。石垣島で体験したアクティビティの中にも、そんな“懐かしさ”を感じさせる場面がいくつもあった。マングローブの静けさ、SUPで漂う海のリズム、シュノーケルで見た水中の光、ダイビングの浮遊感、パラセーリングで眺めた空――どれもが、“過去のどこか”と今の自分をそっとつないでくれたようだった。

マングローブカヤック｜森に包まれた瞬間、幼い頃の感覚がよみがえった

カヤックでマングローブの林を進むうち、ふと空気の匂いと土の匂いが混ざった瞬間に、昔遊んだ裏山の感覚がよみがえった。葉の擦れる音、水の跳ねる音、遠くから聞こえる鳥の声――そのどれもが“懐かしい”というより“思い出した”という感覚だった。石垣島には初めて来たはずなのに、何もかもが知っている風景のようだった。子どもの頃に無心で探検していた頃の気持ち。あの好奇心と安心感を、マングローブの奥でふと取り戻せた。

SUP｜海に浮かんだだけで、昔の夏休みの海辺を思い出した

SUPで穏やかな海を漂っていたとき、風が吹き、太陽が雲の間から差し込んできた。その光と波の感触が、小学生の頃に遊んだ海辺と重なった。サンダルの感覚、濡れた服、焼けた肌、潮の匂い。何も特別なことはしていないのに、体がその記憶を勝手に呼び覚ましてくれる。SUPの上で寝転びながら、「あの頃の夏って、こんな感じだった」と思った。懐かしさは記憶ではなく、感覚としてよみがえるものなのだと、海の上で初めて知った。

シュノーケル｜水中で光がゆれる様子に、昔見たプールの記憶が重なった

海の中で、太陽の光が水面から差し込んでゆれる様子。それをぼんやりと見ていたとき、なぜか子どもの頃に通った市民プールの映像が浮かんだ。水の中で仰向けになって光を見ていた記憶。それと今目の前にある海の光が、完全に一致した。場所も時間も違うのに、感覚だけが同じ。“初めての海なのに懐かしい”という不思議な感情は、見た目ではなく、体が覚えている感覚によるものだった。シュノーケルは海と遊ぶものだけど、あの時間は“過去の自分と再会する”ような体験でもあった。

ダイビング｜深く潜った先の静けさが、昔の昼寝を思い出させた

ダイビングで深く潜ったあと、ただ浮かんで呼吸する時間。音がなく、動きもなく、浮いているというより“とけている”ような感覚。目を閉じると、小学生のときに昼寝をしていたときの、あの布団に包まれたぬくもりが蘇った。無防備で、守られていて、でも自由な時間。ダイビングの無重力感と昼寝の“ふわふわした感覚”がつながった瞬間だった。懐かしさは、場所ではなく状態からやってくる。深海でそんなことを思い出せるとは思わなかった。

パラセーリング｜空に浮かんだとき、風と一緒に過ごした幼少期を思い出した

パラセーリングで空に上がった瞬間、風の感触と広がる空が、昔ひとりで高台に登っていた頃を思い出させた。ただ風を感じて、空を見ていた時間。誰とも話さず、何もせず、ただ“風と一緒にいる”という感覚。現代では味わうことが少なくなったその状態に、空の中で再会できた。初めての体験なのに、あまりにも体になじんでいることに驚いた。懐かしさとは、過去の風景に再会することではなく、“過去の自分”に会いに行くことなのかもしれない。

“懐かしさ”は、記憶ではなく“感覚”が運んでくる

石垣島で体験したさまざまな瞬間が、“昔どこかで感じたことがある”と心の奥を刺激してきた。それは見たことのある景色というより、体が覚えている感覚。水のぬるさ、風の匂い、光のやわらかさ。それらが静かに記憶を引き出してくれる。その体験が懐かしいのではなく、懐かしさを“感じさせてくれる場所”だったのだ。石垣島は、記憶を刺激するだけでなく、自分の中の“忘れていた何か”を優しく呼び起こしてくれる場所だった。

まとめ｜“初めて来たのに懐かしさを感じた”ことで、旅が“再会”になった

初めて見るはずの景色、初めて体験するはずのアクティビティ。なのに、どこかで知っている、感じたことがあると心が反応する。石垣島の自然には、そんな“原風景”のような優しさがある。マングローブの静けさ、SUPの浮遊感、シュノーケルの光、ダイビングの無音、パラセーリングの風――どれもが懐かしかった。それは過去に戻る旅ではなく、“本来の自分”に戻る旅だった。石垣島は、そうやって“また会えたね”と思わせてくれる場所だ。